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【2026年版】管理会計SaaSおすすめ10選(Excelから移す判断の目安つき)

森勝 遼太郎
森勝 遼太郎
CPO
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目次

予算と実績の突き合わせをExcelで回しているけれど、そろそろ限界かもしれない。管理会計のツールは、多くの場合そう感じたときに初めて調べ始める領域だと思います。

この記事は、2024年に旧サイトで公開した「管理会計SaaSおすすめ10選」を、2026年8月時点の情報で全面的に書き直したものです。当社はかつて事業計画に特化したSaaS(当サービスVividirの旧バージョン)を提供していた経緯があり、いまも管理会計ツールの相談をよく受けます。旧記事には当時の自社ツールも載せていました。今回は外部のツール9個を選び直したうえで、最後に現行の当サービスVividirも紹介します。

この2年で、国内の管理会計SaaSの顔ぶれは様変わりしています。大型の資金調達やM&Aが相次ぎ、自然言語で財務モデルを組む新しいタイプのツールも出てきました。管理会計の定義のおさらいから、Excelのまま行くかどうかの判断の目安、そして2026年時点の10選まで、順に書いていきます。

管理会計とは(財務会計との違い)

管理会計とは、自社の意思決定のために行う会計です。予算編成、予実管理、KPI管理、事業計画のシミュレーションなどが含まれます。

対になる概念が財務会計です。財務会計は株主や税務署といった外部への報告のための会計で、会計基準という決まった型があり、扱うのは過去の実績です。一方の管理会計は社内向けで、法律上の義務はなく、決まった型もありません。予算をどの粒度で持つか、どのKPIを追うか、すべて自社で設計します。

型がないからこそ、多くの企業でExcelやスプレッドシートが使われてきました。自由に設計できる道具として、Excelは実際よくできています。問題は、その自由さが規模の拡大とともに負債に変わっていくことです。

Excelのまま行くか、SaaSへ移すか

まずExcel運用の強みを確認しておきます。追加費用がかからず、ほとんどの担当者が操作に慣れていて、セルと関数でどんな管理体系でも組めます。少人数の組織で、作る人と読む人が近い距離にいるうちは、Excelで十分回ることが多いです。

限界が来るのは、関わる人数と更新頻度が増えたときです。よくある症状を挙げると、次のようなものがあります。

  • どのファイルが最新版か分からなくなる(「計画_最終_v3_修正済」問題)
  • 関数の張り替えミスに気づかないまま会議資料になる
  • 計画のファイルが複雑になりすぎて、作った本人しか触れない
  • 部門から集めた数字の転記と整形だけで締めの数日が消える
  • シミュレーションのたびにファイルを複製し、前提の違う計画が増殖する

管理会計SaaSは、おおむねこの症状に対する道具です。データが一元管理されるので最新版問題が消え、会計ソフトとの連携で転記が減り、入力と集計の構造が分離されるので属人化しにくくなります。複数シナリオの比較をファイル複製なしで行えるものも多いです。

一方でコストは確実に増えます。月額費用は継続的にかかりますし、初期設定と定着までの負荷も軽くありません。既存の会計システムや販売管理との接続で、想定外の作り込みが必要になる場合もあります。

判断の目安はシンプルで、先ほどの症状のうち複数が慢性化しているなら移行を検討する価値があります。逆に、少人数で計画を作る人と使う人が一致しており、Excel運用で不便が出ていないなら、急いで移る理由はありません。ツールの導入自体がプロジェクトになるので、症状がないうちに移っても効果を実感しにくいためです。

管理会計SaaSおすすめ10選(2026年8月時点)

国内で検討しやすいものを中心に海外の定番を加えた9個と、最後に当社のVividirを合わせた10個です。掲載順は序列ではありません。料金は各社とも改定が速く、アカウント数やオプションで大きく変わるため、具体額は公式サイトで確認してください(初期費用が別途かかるケースが大半です)。

2024年版に載せていた米国のPlanGuruとLivePlanは、どちらもサービス自体は現役ですが、日本語対応がなく国内の導入事例も少ないため、今回は国内で検討しやすい顔ぶれに入れ替えました。

Loglass(ログラス)

Loglass公式サイトより

予実管理を中心とした経営管理クラウドです。Excelやスプレッドシートで作った計画を取り込んで集計・分析する型なので、既存の業務フローを大きく崩さずに導入できます。この2年で最も存在感を増した国内ツールのひとつで、2024年にシリーズBで70億円を調達し、予実管理の周辺(人員計画や経費管理など)へプロダクトを広げています。

https://loglass.jp/

DIGGLE(ディグル)

DIGGLE公式サイトより

予実管理と着地見込みの管理に強みを持つ経営管理プラットフォームです。予算策定から実績の突き合わせ、差異の要因分析までをダッシュボードで複数人が追える設計で、上場企業や上場準備企業での導入が目立ちます。2025年8月には売上構成の分析に踏み込んだ「DIGGLE売上予実管理」も追加されました。

https://diggle.jp/

Manageboard(マネージボード)

Manageboard公式サイトより

ナレッジラボが提供する経営管理クラウドです。マネーフォワード クラウド会計とのAPI連携が強く、実績データの取り込みから予実管理、財務三表の管理までつながります。会計事務所との連携チャネルを持つのも特徴で、提供元のナレッジラボは2025年1月にマネーフォワードの完全子会社になりました。

https://service.manageboard.jp/

Sactona(サクトナ)

アウトルックコンサルティングが提供する経営管理・予算管理システムです。Excelとの親和性を保ったまま予算編成、見込管理、部門別・プロジェクト別の管理を載せられる設計で、中堅から大企業の導入実績が厚めです。2025年11月にマネーフォワードがTOB(株式公開買付け)を発表し、グループ入りしています。経営管理領域でマネーフォワード周辺に選択肢が集まりつつあるのは、この2年の大きな変化です。

https://www.outlook.co.jp/sactona/

KUROTEN.(クロテン)

KUROTEN.公式サイトより

エキサイトが提供する経営管理クラウドです。スプレッドシートに近い操作感で予実管理を行える設計で、移行時の学習コストを抑えやすいタイプです。2024年以降もBIダッシュボードや営業KPI連携、非財務科目の管理などアップデートが続いています。

https://kuroten.biz/

Zaimo.ai(ザイモ)

Zaimo.ai公式サイトより

この2年で性格が大きく変わったツールです。旧記事の時点では計画作成に特化したシンプルなサービスでしたが、現在は「経営管理AIエージェント」を掲げ、2026年4月には自然言語の指示から財務モデルとKPI構成を組み立てる機能をリリースしました。事業計画の作成から予実管理までを小さく始めたい組織に向いています。

https://lp.zaimo.ai/

Scale Cloud(スケールクラウド)

Scale Cloud公式サイトより

KPIとPLの一元管理に軸足を置いたツールです。売上より手前の先行指標KPIを含めて予実を設計できるため、財務数値だけでは進捗を語れない事業(SaaSや複数事業の並行運営など)と相性がよいです。ダッシュボードのカスタマイズ性も高めです。BS・CFは対象外なので、財務三表全体を管理したい場合は他のツールとの組み合わせになります。

https://scalecloud.jp/

BizForecast(ビズフォーキャスト)

BizForecast公式サイトより

プライマルが提供する経営管理システムです。Excelの入力インターフェースをそのまま残し、裏側のデータ管理だけをデータベース化するという割り切った設計が特徴で、現場の入力体験を変えずに最新版問題と集計の負荷を解消できます。予算管理版のほかに連結決算・連結会計版があり、グループ経営管理までカバーします。

https://www.primal-inc.com/bizforecast/

Workday Adaptive Planning

Workday Adaptive Planning公式サイトより

Workdayが提供するプランニングツールで、海外では経営企画領域の定番のひとつです。予算編成、ローリングフォーキャスト、シナリオ比較を1つの環境で回せて、国内でも中堅から大企業の導入事例が積み上がっています。2025年にはAIが予実の差異分析を行う機能も発表されました。

https://www.workday.com/ja-jp/products/adaptive-planning/overview.html

Vividir(ビビディア)

Vividir公式サイトより

当社ProfinanSSが提供するサービスです。自社のものなので、そのつもりで読んでください。

ここまでの9個が「できた計画と実績を管理する」道具だとすると、Vividirの軸足はその手前、計画をつくって確かめる段階にあります。チームで言語化した判断基準をもとに、AIと対話しながらアイデアの壁打ち、事業計画のシミュレーション、検証の設計を進める型で、検討の過程と判断はチームの資産として貯まっていきます。新規事業のように、複数の事業案を並行して試算し、進めるか止めるかを判断し続ける組織に向いています。逆に、会計ソフトと連携して月次の予実を締める基盤が欲しい場合は、ここまでに挙げたツールのほうが合います。

https://vividir.io/

選び方の観点

10個を並べましたが、機能表の比較から入ると選びにくい領域です。先に自社の症状と目的を決めてから絞るのをおすすめします。

目的別に整理すると、こうなります。

  • 予実管理の負荷を下げたい: Loglass、DIGGLE、BizForecast
  • 会計ソフトとの連携を軸にしたい: Manageboard、KUROTEN.
  • KPIを含めた事業管理をしたい: Scale Cloud、DIGGLE
  • 計画のシミュレーションを速く回したい: Zaimo.ai、Workday Adaptive Planning
  • 連結・グループ経営管理まで見たい: Sactona、BizForecast
  • 新規事業の事業案づくりから検証まで回したい: Vividir

もうひとつ見ておきたいのが、Excelとの距離感です。既存のExcel計画を取り込む型(Loglassなど)は移行が滑らかな一方、Excel由来の複雑さも一緒に持ち込みがちです。ツール上で計画を作り直す型(Zaimo.aiなど)は移行の初期負荷が大きい代わりに、管理体系を整理し直す機会になります。どちらが正しいというより、いまの計画ファイルを資産と見るか負債と見るかで選ぶ話だと思います。

最後に、SaaSである以上、提供元の開発が続くかどうかは満足度に直結します。リリースノートの更新頻度は確認しやすい手がかりですし、この2年のM&Aの動きを見ても、提供元の体制ごと確認しておく価値はあります。

まとめ

管理会計SaaSはこの2年で確実に選びやすくなりました。国内ツールの成熟が進み、目的別の選択肢が出揃ってきたためです。Excel運用の症状が慢性化しているなら、移行を検討するタイミングとしては良い時期だと思います。

ただし、ツールを入れても管理会計の設計そのものは代わりにやってくれません。予算をどの粒度で持ち、どの差異に反応し、計画をいつ見直すか。この設計がないままツールだけ移すと、Excelの混乱がクラウド上に引っ越すだけで終わります。道具の手前にある設計から手をつけてください。

なお、当面Excelやスプレッドシートで運用を続ける方には、予実管理の実務でよく使う関数を予実管理でよく使う関数10選(Excel・Googleスプレッドシート)にまとめています。あわせてどうぞ。

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