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比較新規事業AI

【2026年版】新規事業を支援するAIツール比較(工程別12選・事業計画から壁打ちまで)

森勝 遼太郎
森勝 遼太郎
CPO
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AIで要約

お使いのAIチャットで、この記事の要約を開きます。Gemini・Copilot・Notion AIはプロンプトを渡せないため、下のプロンプトをコピーして貼り付けてください。

プロンプト全文
目次

「事業計画のたたき台、AIに書かせてみたんですよ」。壁打ちの場でこういう話を聞くことが、この1年でぐっと増えました。アイデア出しから市場調査、計画書の作成まで、新規事業の工程を支援するAIツールは出揃いつつあります。

一方で、いざ調べ始めると困る領域でもあります。「新規事業×AI」で括られるツールは、実際にやってくれることがまるで違うからです。アイデアを量産するもの、市場を調べるもの、計画書を書くもの、公募制度を運営するもの。同じ棚に並べて機能を見比べても、選べません。

そこでこの記事では、新規事業の工程を5つに分け、各工程を支援するAIツール12個を比較します。2026年8月時点の情報です。

先に一つだけ補足します。12個のうちVividirだけは工程をまたぎます。①アイデア創出・②市場調査・③事業計画の作成・④検証・壁打ちの4工程を一つの基盤でまとめて扱うサービスで、⑤の制度運営・公募は対象外です。工程ごとの枠に収まらないため、選び方のすぐ後に独立して取り上げます。

選び方(自社の詰まっている工程から選ぶ)

先に選び方を書いておきます。「どれが一番高機能か」ではなく、「自社はいまどの工程で詰まっているか」から選ぶのをおすすめします。

新規事業の仕事は、おおまかに言えば、アイデアを立て、市場を知り、計画に落とし、検証で確かめ、案件として推進する、という工程の繰り返しです。AIツールの得意工程はかなりはっきり分かれているので、詰まっている工程が特定できれば、候補は2〜3個まで絞れます。

全体の地図はこの表の通りです。

工程この工程で解くことツール
① アイデア創出アイデアの量を出し、評価の軸を揃えるHASSAN / IDEATION Cloud / VISITS forms・ideagram / Vividir
② 市場調査・情報収集市場と競合の事実を短時間で押さえるスピーダ / Anews・Astrategy / Vividir
③ 事業計画の作成計画書と数値計画のたたき台を作るPlanit AI / Zaimo.ai / Vividir
④ 検証・壁打ち仮説を揉み、同じ基準で判断するChatGPT等の汎用AI / exaBase 生成AI / Vividir
⑤ 制度運営・案件管理公募・審査・推進を制度として運営するThrottle / IdeaScale

料金は改定が多いため本文には書きません。各公式サイトを参照してください。また、AIに限らない工程別のSaaS比較は新規事業の現場で使えるSaaS比較に書いています。なお、各ツールの画像は公式サイトのOGP画像(リンク先参照)から引用しています。

Vividir(①〜④を一つの基盤で回す)

Vividir

Vividirは、事業創出のプラットフォームです。言語化した判断基準(ポリシー)を拠り所に、AIがチームと同じ基準でアイデア創出から検証までの探索を回します。工程ごとに見ると、次のような役割です。

①アイデア創出では、ゼロからの案出しも手持ちアイデアの壁打ちも、ポリシーに沿った基準でAIが相手をします。②市場調査では、論点と仮説に沿って調査を進め、結果を検討の過程と一緒に一箇所に貯めます。③事業計画の作成では、検証の積み重ねから案件の期待値を算出し、その結果を申請・承認に使える形にまとめます。④検証・壁打ちでは、仮説をAIと揉み、人の議論もAIの壁打ちも同じ基準で判断します。⑤の社内公募や制度運営は扱いません。

使いどころは、壁打ちの質が人によってばらついているときです。評価の基準が文章になっていないと、同じ仮説でも誰と(何と)壁打ちするかで評価が揺れます。基準を先に書き出しておき、AIとの壁打ちも人の議論もその基準で判断する、という使い方です。

判断基準を個人の頭の中からチームの共有物に移したい事業部門や、アイデア創出から検証までを一つの基盤で続けたいチームに向いています。

① アイデア創出

この工程の詰まりは、アイデアがそもそも出ないことと、出たアイデアをどう評価するかの軸がないことの2つに分かれます。前者には量産型、後者には定量化型のツールがあります。

1. HASSAN(自社アセット起点のアイデア量産)

HASSAN(画像は公式サイトより)

HASSANは、Spready株式会社がAILLIOと共同で提供する、新規事業に特化したAIサービスです。自社のアセットを学習させたAIに関心のある業界やキーワードを入れると、アセットと掛け合わせた事業アイデアの種を一度に大量に発散します。選んだアイデアからビジネスモデルキャンバスや事業計画シートの下書きも作れます。

強みは、アイデア出しの初速です。ゼロから始めると数ヶ月かかることもあるアイディエーションを、たたき台のある状態から始められます。

自社の技術や販路を起点に、テーマ候補を広く洗い出したい事業企画部門に向いています。

2. IDEATION Cloud(先行事例起点のアイデア創出)

IDEATION Cloud(画像は公式サイトより)

IDEATION Cloudは、新規事業支援の株式会社Relicが提供する、事業アイデア創出のSaaSです。100万件を超える海外スタートアップの事例データベースと生成AIを組み合わせ、世界で成立したビジネスモデルを起点に、日本市場に合わせた事業アイデアを作ります。

テーマ探索の広さが持ち味です。自社の発想だけでは出てこない領域を、資金調達まで進んだ先行事例から引けますし、市場規模や成長性といった評価軸も組み込まれています。

海外で成立した事例から国内の機会を探すアプローチを取りたいチームに向いています。

3. VISITS forms・ideagram(アイデアの収集と定量評価)

VISITS forms(画像は公式サイトより)

VISITS formsは、VISITS Technologies株式会社が提供するAI搭載の意見収集・合意形成ツールです。参加者から集めた意見やアイデアをAIが重要度や新規性でスコア化し、可視化します。多様な役割を設定したAIエージェント同士に議論させるマルチAIエージェント機能も加わりました。同社のideagramは、特許技術でアイデアの価値や人の創造力を定量化するアイデア創発クラウドです。

アイデアの評価が声の大きさで決まってしまっているなら、試す価値があります。全員のアイデアを同じ物差しで測るので、発言力に関係なく良い案が浮上します。

ワークショップや全社アイデア募集で、集めたアイデアの選別に客観的な物差しがほしい企業に向いています。

② 市場調査・情報収集

アイデアの筋を確かめるには、市場と競合の事実が要ります。この工程のAIツールは、調べる作業を肩代わりするタイプと、日々の情報収集を仕組みにするタイプに分かれます。

4. スピーダ(経済情報の調査・分析)

スピーダ(画像は公式サイトより)

スピーダは、株式会社ユーザベースが提供する経済情報プラットフォームです。業界レポートや企業データ、専門家の知見を1箇所で引けます。2025年夏からは、市場調査や競合分析のタスクを自律的に遂行する「Speeda AI Agent」の提供も始まりました。

市場理解の初期に威力を発揮します。土地勘のない業界でも、市場規模・プレイヤー・商流といった基礎情報を、調査会社に頼まず短時間で押さえられます。

複数のテーマを並行して検討する企画部門や、調査の根拠に業界データの裏付けがほしいチームに向いています。

5. Anews・Astrategy(情報収集の仕組み化と市場の構造化)

ストックマーク(画像は公式サイトより)

Anewsは、ストックマーク株式会社が提供するAI情報収集サービスです。国内外のニュースや特許、論文から、AIが各メンバーの関心に沿った情報を毎日届け、チームでの共有まで載せられます。同社のAstrategyは、収集した情報からAIが市場の全体像を構造化する市場調査サービスです。

テーマ探索を一過性のイベントで終わらせず、日常の習慣にしたいときの道具です。情報が個人のブックマークに散らばらず、チームの共有知になっていきます。

技術起点でテーマを探すR&D部門や、業界動向のウォッチを組織の仕組みにしたい企業に向いています。

③ 事業計画の作成

アイデアと調査結果を、他人が判断できる計画の形に落とす工程です。文書としての計画書と、数値計画(財務モデル)で、それぞれ専用のツールがあります。

6. Planit AI(事業計画書のドラフト作成)

Planit AI(画像は公式サイトより)

Planit AIは、株式会社スマートコンテンツが提供する事業計画書作成アシスタントです。入力項目に沿って要点を箇条書きで埋めると、AIが事業計画書のドラフトを生成します。補助金申請や創業融資といった提出先別のフォーマットに対応しているのが特徴です。

得意なのは、提出物としての計画書づくりです。白紙から書式と文章を整える時間を、たたき台のある状態から直す時間に変えられます。

補助金や融資の申請書類を作る機会が多い企業や、計画書の体裁づくりに時間を取られているチームに向いています。

7. Zaimo.ai(数値計画・財務モデルの作成)

Zaimo.ai(画像は公式サイトより)

Zaimo.aiは、Zaimo株式会社が提供する経営管理のAIエージェントです。予測期間やビジネスモデル、売上目標を自然言語で伝えると、AIが財務モデルとKPIツリーを提案し、事業計画の数値面をゼロから組み立てられます。SaaSやECなど100を超えるビジネスモデルのテンプレートを持ち、立ち上げ後の予実管理まで同じ基盤で扱えます。

数値計画に強いツールです。Excelで財務モデルを組める人が社内に少なくても、構造の通ったモデルから始められますし、前提を変えたシミュレーションも試しやすくなります。

事業計画の数字づくりが属人化しているチームや、計画と予実管理をつなげたい企業に向いています。

④ 検証・壁打ち

計画は書いて終わりではなく、仮説を揉んで確かめる相手が要ります。この工程は、汎用AIをそのまま使う方法と、全社共通のAI環境に載せる方法があります。

8. ChatGPT等の汎用AI(個人の壁打ち相手)

ChatGPT(OpenAI)やGemini(Google)、Claude(Anthropic)といった汎用AIは、専用ツールではありませんが、実務では最も広く使われている壁打ち相手だと思います。仮説への反論を出させる、想定顧客になりきってもらう、計画の穴を探させるといった使い方ができます。

何より、思考の初速が上がります。深夜でも会議の直前でも、その場で相手になってくれます。追加費用がほぼかからない点も、まず試すには十分な理由です。

一方で、壁打ちの質はプロンプトを書く個人の腕に依存し、やり取りは個人のチャット履歴に残ります。個人の思考の相棒としては強力ですが、チームの検証プロセスに組み込むには運用の設計が別途必要です。

9. exaBase 生成AI(全社共通のAI環境)

exaBase 生成AI(画像は公式サイトより)

exaBase 生成AIは、株式会社エクサウィザーズのグループ会社が提供する法人向け生成AIプラットフォームです。GPTやGemini、Claudeなど複数のモデルをセキュリティの担保された環境で使え、プロンプトテンプレートの共有機能を持ちます。導入社数は1,700社を超えています。

汎用AIの壁打ちを個人利用から全社利用に広げる段階で出番が来ます。情報管理の懸念を解いた上で、うまくいったプロンプトを部門で共有できます。

セキュリティポリシー上、個人契約のChatGPTを業務で使いにくい企業や、AI活用の裾野を全社に広げたい企業に向いています。

⑤ 制度運営・案件管理

社内公募や複数案件の推進といった、制度としての新規事業を運営する工程です。AIは審査や分類の支援役として組み込まれています。

10. Throttle(社内公募とプログラム管理)

Throttle(画像は公式サイトより)

Throttleは、IDEATION Cloudと同じ株式会社Relicが提供するイノベーションマネジメント・プラットフォームです。アイデアの募集から評価、ブラッシュアップ、案件の進捗管理までをひとつの場で扱えます。国内で広く導入されています。

主戦場は、社内ビジネスコンテストや新規事業公募制度の運営です。応募・審査・フィードバックをメールと表計算でさばくと事務局が疲弊しますが、この工程を専用の仕組みに移せます。

全社の公募プログラムを運営する事務局や、複数案件を並行して推進する新規事業部門に向いています。

11. IdeaScale(グローバル標準のイノベーション管理)

IdeaScale(画像は公式サイトより)

IdeaScaleは、米国発のイノベーション管理プラットフォームで、日本ではIdeaScaleジャパンが展開しています。アイデア募集のキャンペーン設計、投票による評価、AIを使ったアイデアの自動分類やランキングまでを扱え、世界で25,000以上の組織に使われています。

本領は、大規模なアイデア募集です。数百件、数千件と集まるアイデアの仕分けを、AIの分類と参加者の投票で捌けます。

グローバル拠点を含めた大規模なアイデアプログラムを運営する企業や、国際標準の運営手法に寄せたい企業に向いています。

「出せる」ツールより、「続けられる」かで選ぶ

12個を眺めると、アイデア一覧、調査レポート、計画書、財務モデルと、単発の成果物を出す力はどのツールも既に高いことが分かります。ここはもう、選定の決め手になりにくいと思います。

分かれ目は、自社のチームがそのツールを使い続けられるかです。出てきたアイデアを誰がどう評価するのか、調査結果を何と突き合わせて判断するのか。この基準が文章になっていないと、AIの出力が増えるほど、評価の議論に時間を取られるようになります。逆に基準さえ書き出してあれば、どのツールの出力もチームの判断材料として活きてきます。

だからこそ、ツール選定と同じくらい、自社の判断基準を言葉にする作業に時間をかける価値があります。ゴールを状態で決め、成立条件と達成条件へ分解する手順は、ハンドブックのすべての根本となるスキルに書いています。道具が活きるのは、そのあとです。

共有
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