本書は、新規事業チームにおける「ハンドブック」を目指しています。
- チームに入ったばかりの方に向けた、オンボーディング・研修として
- チーム全員の共通言語として
- 新規事業チームをこれから立ち上げたい方に向けた資料として
業種・業界を問わない形で、シンプルに網羅的にまとめています。同時に、現場で判断に迷ったとき、該当する章だけを引くリファレンスとしても使えるように作っています。
ハンドブックという形で公開する理由
当社のミッションは「ひらめきの、その先を鮮やかに。」です。
プロダクト提供、事業開発、事業計画、コンサルティング、研修、などさまざまな形で企業支援をしてきた当社の原点は、知らないと踏んでしまう苦労を減らし、先の見えない取り組みをできるだけ見えるようにする仕組みを提供していくことです。
その分、多くの企業がよりよい形で事業成長や事業創出に集中できるようになれば、雇用が生まれ、経済が回り、次の時代に繋がっていきます。
一方で、スタートアップを含む新規事業開発は、その体系が定まらず、集合知として共有されづらい傾向にあります。
例えばソフトウェア開発においては、開発手法やアンチパターンがエンジニア間のナレッジとして公開され、もはや手法自体は競争優位の要因ではありません。
それ以外にも、セールス、マーケティング、経理、採用、情報システムなど、多岐に渡る分野で同様の知見のシェアというものは行われていますが、新規事業開発のシーンにおいてはまだあまり確立されたものは見当たりません。
本書は、さまざまな事業を立ち上げてきたメンバーの知見や、当社が培ってきた独自の考察も含んでおりますが、私たちが目指すのは新規事業開発の民主化です。
本書が皆様の役に立つこと、より良い形へのフィードバックをいただけること、皆様の知見が公開されていくことを願っています。
本書の前提
本書では、新規事業チームという表現を多用しています。
意図的に、単一の新規事業を進めるチーム、新規事業を何かしら生み出すチーム、の区別を行っておりません。事業を生み出すにはとある構造が必須となる、という点で共通しているという考えに基づいているからです。
この構造については、新規事業チームのミッションで解説しています。
本書の主張
本書は全体を通して、次の3点を繰り返し主張します。
- 新規事業チームのミッションは「事業を生み出す体制」の確立:期限付きの売上目標などが課せられているケースも多いですが、数値を達成すること以上に、事業を生み出す体制を確立すること自体が重要です。
- 特別なフレームワークやスキルは不要:必要なのは「事業開発が検証の連続であるという理解」と「ゴールの明確な設計」です。フレームワークは必要になったら活用するだけで十分です。詳しくはすべての根本となるスキルで扱います。
- AI時代も課題は変わらないが、やり方は全く別のものになる:AI時代でも、事業を生み出すための考え方は変わらない一方で、すべてを人間が思考・作業していた時代とは根本的にやり方が変わります。
構成と読み方
基本的な流れとしては、新人担当者に向けた事業開発の手順を想定しています。
- 事業開発の基礎 — 新規事業チームのミッション、事業を生み出す方程式、事業開発の進め方(検証の連続)、ゴールの設計、合意形成と巻き込み、ゾンビ化の予防と対処という土台。最後に、理解を確かめるテストを置いています。
- 事業開発のプロセス — 始め方(テーマ設定・アイデア創出・コンセプト化)から、CCF(自社適合検証)〜Growth(成長性確立)の各ステージを経て、閉じ方(撤退・ピボット・移譲)まで。実際の進行に沿った実践編。
- 組織と制度 — ステージゲートの設計、チームの自走と育成、人材配置と評価制度。マネージャー・部長向け。
- よくある話題 — 外部支援の使いどころなど、意思決定に迷いやすいテーマ集。悩んだときに引く章です。
通読いただいても、悩んだ時に読んでみるのでも、活用いただければ幸いです。
育っていく本として
本書は完成品ではありません。
目次には、執筆予定の章も並べていますし、当社の知見や皆様からのフィードバックによってアップデートもしていきます。
読み返すたびに育っている本として付き合っていただければと思います。
それでは、始めましょう。